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三橋庭園設計事務所
蹲踞

今日の住宅の庭は、地価の高いこともあって、年々狭小化の傾向にあります。こうしたことから、小面積でも落ち着きのある景をつくることができる蹲踞が、石灯籠とともに注目されています。
この蹲踞は、和風庭園の大切な構成要素の一つにあげられ、特に茶庭(露地)においては欠かすことのできないものです。
さて、蹲踞というのは、身を屈めて(いわゆる蹲って)手水(鉢)を使うところから出ている呼称です。はじめは、茶の湯の関係から茶庭に用いられたもので、茶事の折、一椀の茶をいただく前に、清らかなる水で口をそそぎ、手を洗って、身だけではなく、心をも清めるという意味から考案創作され、発展していったものと考えられます。
それゆえに、手水鉢を中心とした蹲踞の構えは、茶庭の中では一つの見せ場でもあり、古茶人は、手水鉢の選定・構えには細心の注意を払いました。住宅の庭園に配する際にも、このようにありたいものです。

 菊鉢形手水鉢を使った蹲踞。側面に菊の花を掘り込んでいる。(設計:河原造園)  水掘れ石の手水鉢を中心にした蹲踞。石の形がよく、風情がある。(設計:横浜庭苑)

【蹲踞の基本の構え】

蹲踞の基本的な構えは、向かい鉢形式のものでみると、手水鉢を中央向かいに据え、手前に少し間をとって役石の前石を、向かって左に手燭石、右に湯桶石を配した形につくり、以上の四石によって囲まれた部分を流し(海、水門ともいう)として、地盤面よりやや掘り下げ、中央あたりに排水口を設け、それを隠す水掛け石を置きます。

手水鉢
水を満たしておく器で、自然石などの上端に穴水を穿って、水が入る構造につくられたものをいいます。これにはいろいろの種類がありますが、選定にあたっては、姿、水穴の大きさなどに注意します。

前石
茶事のとき、客が手水鉢を使うためにのる役石で、天端が平らで、両足ののせられる大きさのものを選びます。

手燭石
夜の茶会の折、手燭(照明器具)をのせるための役石で、上部のやや平らの石を選びます。

湯桶石
冬の茶会のとき、手水鉢の水では冷たすぎるので、かわりに湯を入れた桶を置いて、その用に供するための役石で、桶(直径26cmくらい)ののる広めの平らな石を選びます。

流し
使った水を排水するところで、中央に水を吸い込ませるための排水口を設けます。排水口の下は、常時、筧などを用いて水を流す場合には、きちんと排水管をつないで、所定のところへ排水しますが、飾りのもの、茶庭などでは、栗石・砂利などを入れて、土中に自然吸収させます。

水掛け石
流しの排水口上に置かれるゴロタ石で、排水口を隠すためと、使った水がはねないようにする役目があります。

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