庭園と石灯篭とは、今日では密接な関係にあって、和風庭園の構成要素として欠かせないもののように思われているようです。
確かに、石灯篭は景を引き立たせる効果をもっており、たとえば樹木のみでつくられた庭などでは、概して単調な景になりがちですが、一基の石灯籠を配置することにより、景のポイントになり、景にまとまりがでてくることもあります。
ところで、この石灯籠は、はじめは寺の御堂の正面前に建てられた、仏前に灯明を献じるための大切な器具でありましたが、後に仏前だけではなく、神社にも建てられて、さらに庭園の中にも取り入れられるようになりました。
【石灯籠の構成】
石灯籠は、基本的には、基礎・竿・中台・火袋・笠・宝珠より構成されます。ふつうに建てるときは、基壇上に建てますが、地面に直接建てることもあります。
基壇
基礎の下に敷かれた板状の石のことで、一石だけのものと二石以上を合わせているものとがあります。なお、この基壇は、省略されることもあります。
基礎
灯篭の構成部分の最も下にあるものです。上端に上にのる竿の受座をつくり出し、周囲には蓮弁返花を刻成し、側面は、格狭間を入れるのが一般的です。
竿
基礎の上に立つ柱状の部分で、ふつう円形または四角形をなし、円形のものには、上部・中央・下部に帯状の節をつくり出していますが、四角形の竿には通常、節はありません。
中台
竿の上にのり、火袋を受ける台座をなす部分で、平面の形はふつう基礎と相対的な形につくられます。下端に竿の受座、周囲に蓮弁請花を刻成し、側面には格狭間などが入れられ、上端には多く、火袋を受ける一〜三段のつくり出しがつくられています。
火袋
中台上にのる、石灯籠の最も中心的な部分で、灯明を点灯する施設です。それゆえにこの部分には、いろいろ装飾が施され、必ず点灯のために火口、空気の流通のための火窓がつくられます。平面の形は、基礎に準じるのがふつうです。
笠
火袋の上にのるいわば建物の屋根に相当する部分で、ふつうは各隅にむかって棟がつくり出され、軒先のところで巻き上がった形(これを蕨手という)につくられています。なお、四角形のものでは、蕨手はありません。
宝珠
笠の頂きにのる、蓮の花のつぼみの形を意匠化したとされる飾りです。これには、宝珠だけのものと請花のついたものとがあり、後者の方がより装飾的で、ていねいなものです。